原文(DPt, ミオとしょかん)
「トバリのしんわ」
つるぎを てにいれた わかものがいた
それで たべものとなる ぽけもんを
むやみやたらと とらえまくった
あまったので すててしまった
つぎのとし なにもとれなかった
ぽけもんは すがたを みせなくなった
わかものは ながいたびの あと
ぽけもんを みつけだし たずねた
どうして すがたをかくすのか?
ぽけもんは しずかに こたえた
おまえが つるぎを ふるい
なかまを きずつけるなら
わたしたちは つめときばで
おまえの なかまを きずつけよう
ゆるせよ わたしのなかまたちを
まもるために だいじなことだ
わかものは さけんだ
おまえたち ぽけもんが いきていること
つるぎを もってから わすれていた
もうこんな やばんなことは しない
つるぎも いらない
だから ゆるしてほしい
わかものは つるぎを じめんに
たたきつけて おってみせた
ぽけもんは それを みると
どこかに きえていった
漢字かな交じり
トバリの神話
剣を手に入れた若者がいた
それで食べ物となるポケモンを
むやみやたらと捕らえまくった
余ったので捨ててしまった
次の年何も捕れなかった
ポケモンは姿を見せなくなった
若者は長い旅の後
ポケモンを見つけ出し尋ねた
どうして姿を隠すのか?
ポケモンは静かに答えた
お前が剣を振るい
仲間を傷つけるなら
わたし達は爪と牙で
お前の仲間を傷つけよう
許せよわたしの仲間達を
護るために大事なことだ
若者は叫んだ
お前達ポケモンが生きていること
剣を持ってから忘れていた
もうこんな野蛮なことはしない
剣もいらない
だから許してほしい
若者は剣を地面に
叩きつけて折って見せた
ポケモンはそれを見ると
どこかに消えていった
考察
これはポケモンと人との契約の神話と解釈できそうだ。人がポケモンに不利益をもたらすなら、ポケモンは人と共に暮らすのをやめる。人とポケモンが良好な関係を保ち続ける限り、ポケモンは人の元から離れない。この神話でもうひとつ分かるかもしれないのは、ポケモン世界の人間が戦うときに武器を使うことがほとんど無く、代わりにポケモンを使う理由だ。この若者の行動で、相手を傷つける武器を人間は失ったと解釈することもできる。みたいなことがBulbapediaに書いてあった。以下、Bulbapediaの原文を引用。
The myth may be used to explain why most people in the Pokemon world use Pokemon instead of manufactured weaponry to fight."Sinnoh myths - Bulbapedia" Veilstone's Myth, Notes
また、この神話で語られたような「武力を持った人間の元からポケモンが離れる」というストーリーは、イッシュ地方でも似たようなものが伝承されている。導の間で老人によって語られる、コバルオン・テラキオン・ビリジオンの話がそれだ。
そちらも考慮にいれると、この神話での若者は「戦をはじめた連中」を代表して1人の人間にまとめられた存在であると考えられる。
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